「……とは言っても、お前みたいに全く物怖じせずに近づいてきた奴は今までいない」
アデルの楽しそうな声が、空気を震わせた。
「俺は別に、天才でも特別でもないんだがな……」
独り言のような呟きだったため、ルイは返事をすべきか迷った。
迷ったのちに、控えめにアデルの名を呼ぶ。
「アデルさん……」
「ん?」
アデルはルイの肩に額を押しつけたまま、首を傾げた。
「……温かい、です」
何か言わなければならない。
そう思ったルイが、好きだという気持ちを隠すために、伝えた言葉。
貴方が好きだから、燃えるように熱くて仕方がないんです。
