家柄も、地位も、金も、名誉も、いらない。 ルイのためなら、捨てても構わない。 だが、エルクだけは捨てられない。 「私……」 「何も言わなくていい」 ルイを抱き締めていたアデルは、いつのまにかルイにもたれかかるように身体を預けていた。 「お前が俺を好きだろうが嫌いだろうが、メルディを離れるという選択肢は存在しないんだろう?」 そういう姿も含めて好きだということを、忘れていた。 忠誠から生まれたひた向きな心に、アデルは惹かれ続けていたんだ。