ルイの心が歓喜に震える。
仕方がないことだ。
ルイも、アデルを慕っているのだから。
しかしこれは……イアンへの裏切り。
喜んではいけない。
受け入れてはいけない。
「だ……駄目です」
「駄目?嫌、じゃなくてか?」
騎士として、ルイは必死で首を横に振った。
しかしアデルは口元に笑みを浮かべ、ルイを追い詰める。
ルイは涙が出てしまいそうだった。
そうだ、嫌じゃない。
駄目なのだ。
アデルの相手は自分では駄目だ。
元は孤児で、今もただ一兵士のルイ。
一流貴族のアデルなど、初めから釣り合うわけがない。
それにルイの心は、イアンに捧げた……!
「駄目です……だって、アデルさんにはノルンさんが」
「あんなものはただの口約束だ。俺もノルンも、好きな相手は他にいる」
それがお前だ、ルイ。
そう言ってアデルは再びルイを腕の中に閉じ込めた。
駄目だ、と口にするものの、抵抗はない。
あえてアデルはそこを指摘せず、ルイの頭を撫でた。
