失うと思ったものが、今、腕の中で生きている。
生きていてくれればいい。
傍にいられればいい。
そう思っていたが、そんなのは嘘だ。
失うことへの恐怖を知ってしまったから、もうこの腕から離したくない。
ルイの忠誠を知れば、諦められるのではないかと思ったが、違った。
益々惹かれる。
すべてがアデルを惹きつけて離さない。
「アデルさん……?」
上ずったルイの声。
素肌が触れ合い、重なり合った肌が燃えるようだ。
ルイの心臓が煩く音を立てていた。
そして同様に、アデルの心音もはっきりと脈打つ。
「……シェーダに来てはくれないか」
抑えきれない想いが溢れた。
失う前に、奪われる前に、ただ伝えたい。
「好きだ、ルイ。好きなんだ」
アデルの指が、ルイの肩に食い込む。
ルイは大きく目を見開いた。
唇だけを、震わせる。
呼吸を、言葉を、忘れたかのように。
