ルイは顔を上げると、アデルを見つめ苦笑した。
「弓騎士を選んだのは、孤児院でよく狩りをしていたからなんです。一番自分が出来ることだったから……」
初めは生活のための猟の弓。
それが、今では立派な騎士の一人となった。
その努力の源となっているのは、イアンへの忠誠心。
「それからイアン様は、国中の孤児院に食料の援助や、必要に応じては引き取り手の援助をしました。本当にあの方は立派な方です」
橙色の炎に照らされたルイの瞳は、キラキラと輝いていた。
その視界に、アデルはいない。
「っ……」
ルイとの距離を感じ、怖くなる。
掴むことの出来なかったルイの手。
埋めようのない喪失感に襲われる恐怖。
その二つが、思い出された。
唐突にアデルはルイの身体を抱き寄せ、腕の中へと閉じ込めた。
