ルイの顔には、柔らかな笑みが浮かんでいる。
その感情が敬意であると知っていても、嫉妬してしまうほどに優しい笑顔だった。
「視察として討伐隊に同行していらしたイアン様が、子供たちの引き取り手を探してくださったのです」
イアンは孤児院の現状を目の当たりにし、心を痛めた。
何とかしたいと考えたイアンは、城に帰るとすぐに子供を引き取ってくれる人間がいないか探した。
血筋よりも実力を重んじるメルディの国柄から、後継ぎのない貴族や商家が名乗りを上げた。
そのようにして、無事に子供たちは引き取られていったのだ。
再び温かい家族を与えてくれたイアンには、感謝してもしきれない。
「だから私は志願しました。あの方に受けた恩は、一生を掛けてお返ししていかなければ、私の気が済みません」
やはり、同じだとアデルは思った。
理由は違えども、主君に対する忠義の厚さは二人とも差はない。
