金色の師弟


そして、ある日孤児院が山賊に襲われた。

その年はひどい大雨が何日も続き、農作物が大きく被害を受けた年だった。

「私たちの孤児院を襲ったところで、大した食料もなかったんです。でも、山賊たちはそれをわかっていて、僅かでもいいからとやってきたんです」

それだけ、賊も困窮していた。

だが、だからといって強奪行為は正当化されない。

「院長先生は襲ってきた賊に、一人で向かっていきました。話し合いで解決するつもりだったんです」

子供たち全員を孤児院の地下へと隠し、一人で賊の前に立った。

「私ともう一人最年長の女の子がいて、地下でずっとみんなを励ましていました。大丈夫だよって……。大丈夫じゃないこと、わかっていながら……!」

ルイは額を強く膝に押しつける。

嗚咽が漏れる。

「私は……何もできなかったの……!」

悲痛な叫びが、洞窟に反響する。

痛みと哀しみが増幅し、寄り添う二人を包み込んだ。

あの日、ルイは無力感を思い知らされた。

力のない自分には、孤児院を守るために戦うという選択肢は与えられなかったのだ。