賊に親を殺された子供。
病で親を失った子供。
親に捨てられた子供。
どの子も、心に闇を抱えていた。
世界に独りぼっちだと、思い込んでいた。
「私は捨てられた子です」
アデルの指に力が籠もる。
だが、アデルは顔色一つ変えずにルイを見つめる。
「物心付く前だったので、記憶にないだけマシだった気もします。……中には、五歳くらいで親に手を引かれて連れてこられた子もいましたから」
それは、どんな気分だったろう。
捨てられた、という記憶がはっきり残ってしまうその絶望は、計り知れない。
それでも、院長先生はその子を癒した。
私が今日から家族です。
貴方のことを愛しています。
そう、微笑んで。
