その時から、ルイに惹かれていたのだろうか。
アデルにはよくわからない。
だが、少女に特別な感情を抱いていたのは確かだ。
でなければ、あんな願いは断っていた。
大切なものは、二つもいらない。
二つあると、どちらかを選ばなければいけないから。
今もそうだ。
本当はルイの捜索にアデルが動くべきではない。
アデルは部隊を無事帰還させ、捕まえた賊から情報を得なければならないのだ。
それは他ならぬ、エルクのために。
捜索は誰か他の者。
もしくは、一度下山して天候が回復してから向かうべきだ。
ルイも、一人の兵士。
遭難しても何日かは生き延びることが出来る。
そう。
頭ではわかっていた。
だが、アデルを突き動かすものは理屈などではなかった。
