ルイはアデルの手が離れると、すぐさま二人へ背を向けるように、土砂崩れの方へ身体を向けた。 特に確認したかったものがあるわけではなく、ただアデルと目を合わせたくなかっただけなのだ。 逃げているときは感じなかった胸の高鳴りが、今ははっきりと感じられる。 (こんなときに、不謹慎……) 手首を擦りながら、ルイは目を閉じた。 やはり、自分はアデルを慕っている。 些細なことから気持ちを再確認し、ルイは一人顔を赤くした。