金色の師弟


オネストの偵察隊が得た情報によると、山賊達はオネストとデモンドの国境であるマデラン山脈の中に拠点を持っているという。

そして、周辺の村を国境を越えて襲う。

「考えてみると、おかしな話だ」

王都からマデラン山脈までは馬でも二日程掛かる。

討伐隊を乗せた馬車は四台。

エルク、ミーナ、ゴード、アデル、ノルン、ライラ、ルイの少数を乗せた馬車が一台と、シェーダ国の二小隊が二台、メルディ国の一小隊が一台。

エルクたちの前で、ライラは腕を組みながら眉をひそめた。

「何が気になる?」

不意に呟いたライラに、エルクは問い掛けた。

ライラは眉をひそめたまま、ミーナへと顔を向けた。

「マデラン山脈を越える以外に二国間を行き来する方法は?」

「船を使えば、海から回れますが……。わざわざ陸続きになっているのに船を利用しようとは思いません」

ミーナの言葉に、ライラは頷く。