金色の師弟


身体を離すと、アデルは緩めていた口元を引き締め、ルイを見つめた。

「……だがな、まだ少し反転するタイミングが遅い。人が相手だと、反撃を食らうかもしれないぞ」

「……はい!」

真面目なアドバイスに、ルイは力強く頷いた。

「飛んでから捻るのではなくて、飛び上がる瞬間から身体を反転するために用意しておけ。後は、もう少し弓を引くスピードを上げろ。弓兵が接近戦などそうそうないが、いざというときに使えない技に意味はない」

「はい」

「大丈夫だ。お前なら出来る」

ルイの頭を、優しく包むアデルの大きな手。

その安心感に、ルイは無意識に頬を緩めた。