威勢のいい態度に満足し、アデルは屈託のない笑顔を浮かべた。
そして、ルイの顎を軽く持ち上げ、丸くなった瞳を覗き込む。
「……なんだ?口封じならこっちがよかったのか?」
アデルの長い指が、そっとルイの唇の上をなぞる。
唇に緩く弧を描いて妖しく笑うアデルに見つめられ、ルイは顔を真っ赤にした。
そして、唇を震わせる。
「か、からかわないでください!」
いつもいつも!と怒鳴ればアデルは心外そうに肩を竦める。
本心からか演技なのか掴みきれないアデルの仕草に、ルイは惑わされてばかりであった。
「アデル、この子がルイ?」
「ん?あぁ。紹介が遅れたな」
アデルはルイから手を離すと、そのまま手のひらでルイを示した。
