ルイの視線に気付き、女性はにっこりと優雅な笑みを浮かべた。
シェーダの騎士なら彼女もまた貴族だろう。
彼女の優美な笑顔にルイは目を奪われ、口を半開きにしたまま見上げていた。
「だらしない顔をするな」
「むぐっ」
中々口を閉じないルイの背後に回ったアデルが、開いた口を片手で塞ぐ。
今まで、それくらいの触れ合いは二人にとって普通であった。
ルイもアデルのスキンシップの激しさには、慣れていたつもりだった。
アデルにはよくからかわれていたのだから。
「……っ」
しかし、今のルイは何も言えずに身体を堅くしていた。
細身であるが、引き締まった腕が身体に回される。
長く細い指に大きな手が、口を塞ぐために顔へと触れた。
今までこんなこと意識していなかったのに。
ルイは理由のわからない戸惑いに支配され、今までどのように接してきたのかも忘れてしまう。
