初めは躊躇いがちに進みだしたルイは、次第に駆け足になり笑顔を浮かべた。
「アデルさん!」
ライラの胸に、ぐさりと突き刺さる痛み。
自分には向けられない、無防備な笑顔が視界をかすめ、ライラはただ離れていくルイの背中を見つめていた。
「ルイ、来てたのか」
「はいっ!」
走り寄るルイに、アデルは両手を広げてみせる。
飛び込んでこい、と言わんばかりのアデルの態度に、ルイはさすがに足を止め、アデルの腕に軽く触れるに留めた。
「なんだ、遠慮せずに飛び込めばいいだろう?」
「飛び込みませんよ……」
ルイは眉をひそめてアデルを見上げた。
そして、隣に並ぶ女性に視線を移した。
鎧姿の凛々しい表情から、一目で実力のある兵だとわかった。
