ライラが控えめに口を開く。
同時に、ルイが瞳を大きく見開いた。
「ルイには女としての魅力がちゃんとある」
「……あ」
嘘偽りのないライラの言葉。
だがそれは、ルイの耳には届かなかった。
ルイはライラの肩越しのただ一点を注視している。
「……?」
ルイが聞いていなかったことに気付き、ライラは後ろを振り返る。
中庭の入り口付近に、人影が二つ。
背の高い黒髪の男と、短い栗色の髪をした女性。
二人は仲睦まじく話をしているように見える。
不意に、男が顔を上げライラは目が合う。
だが男はすぐにライラからルイに視線を移すと、頬を緩めて片手を上げた。
「ルイ!」
よく通る声にルイはびくりと肩を震わせ、ライラに手を握られていることも忘れて男の元へと走りだす。
ライラは自然と、手を離していた。
