「ルイ……」
「やっぱり、私は恋愛事には疎いようです。アデルさんにも女としてはまだまだだって言われましたし」
眉を寄せ、困ったように目を伏せたルイ。
どこか哀しげなルイの横顔に、ライラは無意識にルイの腕を掴んだ。
ルイが、きょとんとライラを見上げる。
空色の瞳に見上げられライラも、固まってしまう。
特に理由があったわけではない。
あえて理由を付けるなら、アデルの名を呼ぶルイの声音がどこか優しく響いたから。
無性に、腹が立っただけ。
「ラ、ライラ……?」
「……」
突風が庭の草木を揺らす。
葉の擦れる音の中、二人は見つめ合っていた。
美しい花園で向かい合う二人の男女。
恋人同士を描いた絵画のような一瞬は、些細なことで時を取り戻す。
