「オネストとデモンドの関係は物流が主で、互いの情報というものは流し合ってはいませんでした。国王に直接お会いしたのも一度きりで……」

「会った?デモンドの国王にか?」

ライラが目の色を変えてミーナへと詰め寄る。

きつい口調で詰め寄られ、ミーナは思わず一歩引いた。

「は、はい……。父の代理として……これからも食物の輸出をお願いしたい、と形式的な挨拶を……」

吸い込まれそうな緑色の瞳に覗き込まれ、ミーナは思わず目を逸らした。

ミーナには何も非はないのに、ライラに見つめられると多くの者が何故か自分が悪いような気がしてくるのだ。