だからこそわからないのだ。

その寛容さ、そのへこたれなさの正体が。


「だって、あたしに会いたい男がいるんだよ、どっかに。

あたしみたいに失恋しちゃって泣いたりしながら、

探してるんだよあたしのこと」


何年経っても同じ答え。

ニセ王子、何人間違えても揺るがない想い。

「ロマンチックで、めまいがするよ」


「リアルだってば!」


初めて話した日と同じ、ばかばかしいほど真剣なまなざしで。

ピンクのぺデイキュアの足、踏み鳴らしながら叫ぶ、自称リアリスト。

いとおしくって、あきれかえって、時々本気で腹がたつ。

ばかやろうめと抱きしめたくなる。

そんな女だ、苺は。