「いっちっごっちゃーーーん!!どうしたの~???ノリ悪くね???」

「わぁ!!」

いきなり、エコーききまくりのマイクで名前を呼ばれてびっくりした。

合コン相手のE高のメンバー5人の中で、一番目立つ吉元君。

歌もうまいし、背が高くてかっこいい。

その上、盛り上げ方もうまい。

「そうだよ苺~!!まだ一度も歌ってないじゃん!!なんか入れなよ~」

吉元君の隣りに立って、うれしそうに麻美ちゃんが笑う。

ふむ。吉元君狙い、かな。

でもたぶん、倍率高いよ。

さっき由香里ちゃんもこっそりあたしに

「ねーねー、吉元君、超かっこよくない??」

って耳打ちしに来たもん。

「はいはいはい、じゃあみんな挙手願いまーす。

苺ちゃんの歌、聴きたいひと~!!!」

「はーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!!」

吉元君の呼びかけに、みんなの声が、いっせいに揃い、手があがる。

わわわ。ヘンな目立ち方しちゃったよ、あたし。

こんな事ならサクっと早いうちに、なんでもいいから歌っておけばよかったかなぁ。

うーん。なんだか余計なプレッシャー感じるよ。

困っちゃったなぁ…。