「もし今日、私が友達と遊ぶ約束してたらどうしようとか、思わなかったの?」

イツダッテ、ワタシガアナタヲ、ユウセンスルハズダトデモ、オモッテルノ?

「そうだとしたら…仕方ないし、帰ろうと思ってたよ」

「……………」

この角を曲がってまっすぐ行った所に、いつも二人で行くレンタル店がある。

きっと陽司は自分が観たいDVDじゃなくって、私の観たいDVDを観ようって言う。

陽司の部屋、電気を消して、二人でコーヒーを飲みながら、観たかった映画を観る。

素直じゃない優しくない私は、きっとそれでもまだ不機嫌なままなんだ。

大切な時間なのに。

ずっとずっと待っていた、二人きりの時間なのに。