「そう。それならよかったわ。今日は日曜日だし、ゆっくりしていってね」

「はーい!…あれ?でも輪子、今日陽司君とデートだって言ってなかったっけ?」

「うん。陽司バイト入っちゃったから、今日は中止になったの」

「ふぅん。そっかぁ…」

答えながら、突然

「…長く一緒にいる事も、なかなか難しいんだよ」

昨夜の輪子の言葉と、淋しそうな笑顔を思い出した。

なんでもないよって言ってたけど…。

だったらなんで、あんなに淋しそうに笑ったんだろう?

あたしには、言えない事、なのかなぁ…。

「ごちそうさまー」

いち早く食べ終わった輪子が、食器を流しに運んでいく後姿を見ながら。

しつこいかも知れないけど…もう一度だけ後で、輪子に聞いてみよう。

ご飯の最後の一口を頬張りながら、あたしは思った。