ペーパースカイ【完結】

駅の中の喫茶店で注文をした後、さっそく私は聞いた。

「『空を破る』って、どういう意味?」

「ええ!?」

駅までダッシュした時に乱れたまんま、おでこ全開のママ。

「何それ?なんだっけ?」

「こないだ言ってたじゃん、泣きながら。『空を破る力が~』とかなんとか」

「……知らない。アチチッ!」

運ばれてきたコーヒーを危うくこぼしかける、嘘のつけない正直者は

「そんなことより、芳明くんとちゃんと話した??」

なんて言って、ごまかす。

「そんなの、どうでもいーでしょ」

「わーん!またそーやってママには言ってくれないで輪子には言うんでしょー!!」

「そうだ。輪子さんも言ってた、なんか月の話」

「え?」

「くじら公園で。輪子さんとママが高校生の時の話!一緒に失恋して酔っ払って

月の話したって。それってなんなの?」

「わぁーー!輪子ちん、そんな話したのぉ?」

なぜだかママの顔が、真っ赤になっていった。

まるで本物の、苺みたいに。