「希、今から防犯ブザーを買いに行かないか?」 「?」 防犯、ブザー? 「下校時やタマの散歩の時、危ないだろう?」 「要りません。大丈夫です。」 私は目立つような人でもなければ、誘拐して得のある人でもない。そんなの無駄金になるだけだ。 「――ダメだ。買いに行く。」 そうして淡島さんは無理やり私をホームセンターへ連れて行った。