私が向かったのは近所の公園。 大きな木とその木の下にあるベンチ。あとはすべり台、ブランコしかない閑散とした公園である。 私は人が少ないと言う理由で毎日ベンチに腰掛け、学校からの帰り道は出来るだけ時間を潰して家に帰っていた。 部活はしていない。 色々と面倒だからである。 そんなある日のことだった。 一冊の本がベンチに置き忘れてあったのだ。 当然本に持ち主の手がかりと呼べる様なものはなかった。 しかしその本は…