兄の手帳を開くと、やはりそこには父親の住所が書かれていた。 今思えば兄はわざとこの手帳を私に残したのかもしれない。 「もう…随分前のだけど、変わらず父はここに居るのだろうか?」 「多分、居ないだろうな。 仕事で転々としているらしいから。」 「え……?」 じゃあ私…… 「ハァ…渡したくないが仕方ない。 お兄さんが父親の連絡先くれた。 ――待ってて。」 そうして数分後。 淡島さんは一枚のメモ用紙を持って部屋から出てきた。