「ふぅー…」 一週間後。 ついに私は引っ越しを終えた。 数少ない家族の遺品や私の洋服等は移動するのに時間はかからないのだが、淡島さんの都合の良い日が休日の今日しかなかったのだ。 淡島さんは月〜土までは基本仕事が忙しいらしい。大体帰って来るのは夜の21時頃だとか。 「飲むか?」 そう言ってぬっとコップを私に差し出す淡島さんが居た。 「はい、ありがとうございます。」 私は笑顔を返し、頷いた。 ゴクリと一口いただく。…うん、美味しい麦茶だ。