「俺は希のお兄さん―雪路さん―からその鍵を預かった。」 名前まで…… 「……じゃあ、兄は…お兄ちゃんは生きていたんですか…?」 「あぁ。 閉店間際にいきなり店に入ってきた。」 「店?」 私が聞くと淡島さんは一瞬目を閉じてから答えた。 「俺は、バーテンダーだったんだ。」 少し想像する。 ……似合ってる。