その夜。 「淡島さん、風邪が嘘のように今日はご機嫌ですね。」 「ん?そうか? ……今日はよく言われた。」 きっと会社の同僚の人達に私と同じことを言われたんだろう。 「風邪、好きなんですか?」 「そんな人居ないと思うが……」 「じゃあ…薬?」 錠剤、あるいは粉薬が好き…みたいな。 「確かに居るかもしれないが…俺はそんな特殊な人種じゃない。」 んー… でも明らかに淡島さんを取り巻く空気が柔らかい。 「おかゆ?」 ……いや、コレはないな。塩味だけだったし。