あたしは笑いを止められず、涙が出るまで一人で楽しんでいた。だってだって、鬼支部長が一人でキウィ~!!
おーい、と彼が呼ぶ。
やっと何とか笑いを止めつつあるあたしは、そのままで床から稲葉さんを見上げた。
「似合うなあ~と思いまして」
ヤツはにっこりと、あの甘え顔で笑った。
「そうだろ?俺、可愛いものが似合う男なんだ」
・・・自分で言うか。あたしは突っ込む。まあ、確かに似合うんだけど。
あたしに手をのばして起こしながら、彼が聞く。
「食べるだろ?」
あたしもにっこりと笑う。
「勿論頂きます!」
春のある土曜日の朝、その柔らかい光りに包まれながら、あたしは稲葉さんが渡してくれた半分のキウィを持って床に座った。
今日もこうして栄養と元気をゲットだ!
瑞々しい緑色の果肉をスプーンで掬い取って、口に含む。
そして笑った。
恋人の、隣で。
「キウィの朝オレンジの夜」終わり。



