何度か抱かれ、そのまま眠ってしまったようだった。
カーテンを閉めてなかったので朝日が直接あたしの瞼をさして、その眩しさに目が覚める。
隣へ顔を向けると、無防備な顔で稲葉さんが眠っていた。
あたしはその寝顔をじいーっと見詰めた。
・・・・ううーん・・・やっぱ、美形。素敵な寝顔~・・・。
お泊りデートはしたことがないから、この人の寝顔も初めて見るんだなあ、そういえば!
ちょっと感動して、あたしはここぞとばかりにじっくりと眺める。
サラサラの黒い髪が朝日を浴びて光る。
上がり気味の眉に二重の垂れ目。通った鼻筋に綺麗なピンクの唇。そういえば稲葉さんて兄弟姉妹いるんだろうか・・・。もし妹さんやお姉さんがいたら写真見せて欲しい。べっぴんだろうなあ~!
「・・・羨ましい」
つい、声が出た。
「・・・何が?」
ゆっくりと、稲葉さんの目が開く。
あ、しまった。起こしてしまった。しかもどうでもいいことまで聞かれてしまったぞっと。
「いえ、何でもありません」
「言って」
ゴロンとこっちを向いて転がり、稲葉さんが言う。まだ寝ぼけた顔をしていた。
朝でも追及するところはするんだ。あたしは苦笑する。



