「……潤佳、でいい。『九条さん』だと、長いから」


そう言うと、八神は驚いたように目を開く。


「じゃあ、私の事は、『凪』って呼んでくれる?」


こく、と頷くと、笑顔になった。


「よろしくね、潤佳」


「よろしく……凪」


和解(?)をしてから、天野と3人で正門に行くと、白い車が停まっていた。


その車に寄りかかるよう、男性が立っている。


歳は、京兄と同じか、少し上くらい。


「凪」


その男性は、凪を視界に入れると、微笑みかける。