翌日、月曜日。


いつもと同じ時間に学校に行くと、正門前に私を見て立っている男子生徒が見えた。


「おはよう。一緒に教室に行っていい?」


男子生徒、天野は笑顔を浮かべて挨拶をしてからそう言った。


「……好きにすれば?」


素っ気なく答えると、天野は嬉しそうに頷いた。


「うん。好きにする」


教室に入ると、誰だアレ、と言う声が静かになった教室に響いた。


そんな中、自分の席に着き、隣の席に天野が座ると、拓真が寄ってきた。


「はよーっす駆流。九条さん」


「おはよう」


「……おはよう」


挨拶を返し、カバンから本を出し、それに目を落とす。