「で、前髪はー……んー……」
「ここをこんな感じにして、サイドはこれくらいで……」
瑠稀姉が悩んでいると、莉央兄が来て、鏡を見ながら私の前髪を触る。
「あ!それいい!それで、こういう風に……」
代わる代わる注文をしていく2人に女性が笑う。
「じゃあ、切るよ。……鏡、布でもかけとく?」
ハサミと櫛を出した女性にそう言われ、声が出なくなる。
鏡越しに瑠稀姉と莉央兄を見て数秒考え、小さく首を横に振る。
それに女性は、優しい笑みを浮かべ、私の髪を櫛で梳く。
「髪、少し傷んでるけど、綺麗だね。お母さん譲り?」
「……ん」
髪を切られてるから頷く訳にもいかず、小さい声で肯定する。

