少し歩いて、こぢんまりとした美容院に着く。
慣れたようにドアを開けて中に入る瑠稀の後に、莉央兄の背中に張り付くようにして辺りを窺うように続く。
「こんにちはー。予約してないけど大丈夫ですかー?」
受付にいた女性に瑠稀姉が話しかける。
「いらっしゃいませ。大丈夫ですよー」
「この子カットしてもらいたいんですけど」
瑠稀姉が隣に来て私の肩に手を置く。
「妹?あれ、瑠稀ちゃん妹いたっけ?で、そのイケメンは彼氏?」
この女性とは知り合いらしい。
「半分あたりですー。かわいいかわいい妹と、優しくて面倒見のいいイケメンのお母さんです」
瑠稀姉が笑って返す。