「携帯に『AハートM』ってイニシャル入ったストラップついてた」
ハート使う辺り友達じゃないよな、と思った次第でございます。根拠はないけど。
ついでに、「猫好きな知り合い」は彼氏の事かと。
根拠はない。勘。
「瑠稀姉?何してるの?」
声のした方を向くと、フードを目深に被った潤佳ちゃんがいた。
「三枝さんに忘れ物届けに来たついでに白兎が勇気を振り絞った瞬間見届けて、止め刺したところ」
「彼氏……彼氏いたのか……じゃあ探偵業って隠す必要なかったんだなアハハハハハ……」と乾いた笑いを溢す白兎を無視して答える。
探偵やってる事隠してたのか。理由は知らんが。
「勇気を振り絞った……?」
潤佳ちゃんが小首を傾げる。
「ま、眼中に無かったんだけど。事務所戻ろっか」

