その部屋の中からくしゃみが聞こえて、続いて「こっちに来るな。全く、何でこんなもの……」と笠松さんの声がした。 そして部屋から出て来ると、あたしたちを一瞥して去って行った。 「何に『こっちに来るな』って言ったんだろ……」 「さあ……?」 小さく呟くと、学が首を傾げる。 「……時間的にここが最後だな」 ルークが窓の外を見て言った。 「そうだね」 莉央さんが腕時計を見て頷き、三枝さんの後に続いて部屋の中に入る。