東屋のイスに座り、おにぎりを食べる。
30分ほど休憩を挟んで、また遺言状探しに取り掛かる。
「次は娯楽室ですね」
「娯楽室?」
「ええ。ゲーム好きな祖父の遊び部屋です。チェスやオセロとか色々置いてあるですよ」
「三枝さんはチェスやった事あります?」
自分はないな、と思いながら質問する。
「小さい頃何回か祖父に誘われたんですけど、ルールを覚えられなくてまともにやった事はないの。家族の中で唯一、祖母だけが祖父の相手だったわ。……あれ、ドアが開いてる。伯父さんかな……」
苦笑いしながら返してくれた三枝さんが、ドアが開いてる部屋を見て足を止める。

