笠松さんは失礼、と後ろを向いてくしゃみをするとこちらに向き直る。 「ずいぶんとお若いようですが、歳を訊いても?」 「17ですが」 ルークが答えると笠松さんは一瞬だが馬鹿にしたような表情を浮かべた。 そして、三枝さんを見る。 「探偵なんか雇って……そんなにお金が欲しいのかい?」 口調は丁寧だが端々にトゲが見える。 「私は自分のために探している訳ではありませんから」 それだけ言うと案内します、と三枝さんは歩き出す。 笠松さんには形だけのお辞儀をして、三枝さんについて行く。