「伯父さん……お久しぶりです。こちらは、宮間探偵事務所の方々です。遺言状探しを依頼しました」
伯父さん、と呼ばれた声の主は、背が高く痩せている上品そうな紳士だ。
その人は階段を下りてきて、あたしたちの前に来る。
「こんにちは。笠松勇といいます」
笠松さんは莉央さんに握手を求める。
所長と勘違いしているらしい。
「こんにちは。宮間探偵事務所副所長、東屋莉央です」
莉央さんは笑顔で自己紹介をして握手に応じる。
「副所長、ですか。本日、所長さんは?」
「ご挨拶が遅れました。所長の宮間です」
あたしの営業スマイル120パーセントより遥かに嘘っぽい笑顔を張り付けてルークが言う。

