「山の方って言うから、どんな和風屋敷だろうって思ってたけど……」
「これ、城だよね?城だよ」
偏見極まりないあたしの呟きを学が引き継ぐ。
2時間ほど車に揺られて着いた先は、三枝さんのおばあさんの家。
目の前には、家と言うか、屋敷と言うか、城と言うか……と言った建物。
ドラマとかで出てきそう。
「もともと空家だったこの屋敷を祖父が買い取って住めるように手を加えた、と母に聞きました。ボロ屋敷だったって言ってましたよ」
自分の車から降りてきた三枝さんが笑う。
ちなみに、白兎は自分の事務所に依頼が入ったため今日は来ていない。