「ね。現実味がないでしょう?数年前に亡くなった祖父は、事業を興して成功し、莫大な財産を築き上げた、と聞いています」 「伯父さんは跡を継がなかったんですか?」 学が訊く。 「祖父とも折り合いが悪かったようで……。伯父は自分で事業を興したようです。けど、最近は業績不振らしくて」 伯父さんはそれで遺産が欲しいのか。 三枝さんの話が終わり、ルークは少し考えて言う。 「解りました。お引き受けいたします」 「ありがとうございますっ!」 頭を下げる三枝さんを見てほっとしたような顔をする白兎。