宮間探偵事務所事件ファイル 3




三枝さんの母方の祖母、笠松菊代さんは広大な土地などの資産を所有していて、それを誰が相続するかは遺言状次第だったらしい。


しかし、親戚が集まった中開封された遺言状にはとんでもない事が書かれていた。


『本物の遺言状は騎士が持っています。騎士は敷地内のどこかにいるから探してみてください。それを見つけた人に財産を譲ります。ただ、一年経っても見つからない場合、遺産は全て日本赤十字社に寄付します』


それを読んだ長男の伯父は驚愕の表情を浮かべた。


遺産を誰が相続するかは遺言状次第だが、長男の自分が受け取るのは当然だと思っていたからだ。


「と言っても、伯父はめったに実家に帰っていなかったようですし、祖母と会ってもお金の事ばかりで親子関係はよくない、と母から聞きました。叔父と伯母の評判もよくなかったみたいだし、何でそんな事思っていたのか不思議だったんですけど」


そう言って三枝さんは話を締めた。