「ねぇ、一中の制服着てたんだけど、知ってる人だった?」 「すみません……顔は見えなかったので……。でも、同じクラスの人だと思います」 「え、何で?」 天野君はテーブルの上の千切れているミサンガを見る。 「これ、クラスの女子が集まって作って、皆……九条さんには配ってなかったけど……配ってたんで……」 視線を落として答える。 「そうか……じゃあ、クラスの女子の中で左利きの人は?」 「左利き?えっと……」 ルークの質問に、天野君は不思議そうな顔をしてから考え込む。