事務所に戻って30分くらいした頃、ルークが戻ってきた。


「瑠稀はもう帰っていいぞ」


「いや、まだ帰らない」


そう言ってルークにコーヒーを淹れるためにキッチンに立つ。


「名前、訊いてもいいか?」


カップをルークの前に置き、潤佳ちゃん定位置のソファーに座ると、ルークが口を開く。


「俺、九条さんと同じクラスの天野駆流って言います」


アマノカケル?αと同じ名前だ。