「った……何す……っ!?」


立ち上がろうとして顔を上げた時、目の前にハサミを突き付けられた。


「カケル君に近づかないでよっ……!」


カケル?誰。


訊こうとしたが、声が掠れる。


「アンタ、酷い顔してるんでしょ?だから、顔隠してるんでしょ?……その前髪切って、その顔晒したら小気味いいと思わない?」


その言葉に背筋が凍りつく。


ハサミが近づく。


前髪が引っ張られる。


「やっ……!はな……て……!」