地面を触った手が土ではない物に触れた。


何だと思い、手元を見ると、黒い髪。


「え……」


女子がハサミを持っていたのを思い出す。まさか。


側にルークが来て、あたしが凝視している髪を見る。


そして、潤佳ちゃんが着ている大きめのパーカーのフードを被せ直す。


潤佳ちゃんはフードを引っ張り、さらに顔を隠そうとする。


「立てるか?」


ルークの問いに、潤佳ちゃんは何も答えない。