それから30分ほど過ぎて、あたしもそろそろ帰ろうかと帰り支度を始めた頃、テーブルの上にある誰かの携帯が鳴り響く。
その持ち主のルークは持っていた資料を置いて、携帯を取る。
「もしもし……どうかしました?え?」
ちらっとルークは時計を見る。
「……いつも通り5時半頃出ましたけど探してみます。……弥子さんは家に居てください」
ルークは電話を切る。
「潤佳がまだ家に帰ってないようだ。ここから潤佳の家までは20分もあれば着く」
「え!?」
時計の針は6時を差している。
「莉央はここに居てくれ。学、瑠稀、行くぞ」
ルークが言うよりも早く事務所を飛び出した。