宮間探偵事務所事件ファイル 3




香坂さんは数秒、私の言った事を咀嚼したあと、驚いたような表情を浮かべた。


「いいの?」


「そう言ってるじゃないですか」


視線を逸らして言ってから目を戻すと、香坂さんは嬉しそうに笑顔を浮かべていた。


「車、停めるからちょっと離れてて」


言われたとおりにすると、香坂さんが車を停めて、降りてくる。


「あら、いらっしゃい、涼君。今日は何の用で?」


家に入ると、お母さんが出迎えてくれた。


「先日、保留にした件で……」


「それがどうかなさいました?」


「凪さんにお付き合いする許可を頂いたので、その事を報告に」