「じゃ、凪が大人になったら、俺と結婚してくれる?」
「なっ……えっ!?それっ、プロ……っ!?」
「プロポーズか、と訊かれるまでもなくプロポーズだけど」
これ以上ないくらいに顔を赤くしているであろう私を見て香坂さんが続ける。
「まぁ、籍入れるのは、凪が大人になってからだし、それに、俺がちゃんと稼げるようになってからだから──あ、指輪もその時な──結構待たせるけど、どう?」
「どうって……」
「顔もそれなりだし、将来有望、一途で、好きな人には尽くすタイプ。優良物件ですよ、どうですか?」
香坂さんは自分で挙げた条件を指折り数えていく。
「……それじゃ、香坂さんが私の事好きみたいじゃないですか」
「うん、好きだよ」
「は!?」

